無痛中絶手術

  • 無痛中絶手術

中絶をしたくて妊娠をする女性は誰もいません。
様々な理由で仕方なく中絶手術を受ける女性をたくさんみてきましたが、不安な気持ちで、悩んだ末に手術を決断される方がほとんどです。

さらに、手術を受けるかどうかについても、周囲に相談しにくく、決断できないまま、日にちだけが経過していく事も珍しくありません。それに加えて、中絶の手術が受けられる週数には期限がある為、不安が増す一方です。手術を受けるか悩まれている方、色んな不安を抱えている方も、一人で悩まずにご相談にいらして下さい。医師である前に一人の女性として、お話しをお伺いさせて頂きます。

但し、当院で安全かつ適正に手術をする為には、一定の基準があり、リスクのある方の手術をお受けできないこともあることをご理解ください。

また、ご希望の方には今後、中絶手術を繰り返さない為の、”正しい避妊方法”や”女性の身を守る方法”について、ご提案させていただきます。

FIDES ladies clinic Tamachi
日本産科婦人科学会 専門医
母体保護法 指定医
院長 内田 美穂

人工妊娠中絶手術

  • 当院で手術可能な週数
  • 妊娠12週未満(妊娠初期)
    ※ 妊娠12週以上の中絶手術対応できません

手術は1万件以上実績のある院長が行います

手術を行う医師

内田 美穂 Uchida Miho

医師として20年以上のキャリアがある院長自らが責任を持って全ての手術を行っております。女性だからこそ心配になる身体への負担を考慮し、吸引法での手術を推奨しております。手術は患者様の身体の負担を最小限に抑えることが医師としての最優先事項だと考えています。
ありがたいことにその理念にご共感いただいた他の医療機関よりご紹介を頂く機会も増えてまいりました。

中絶も手術であることには違いないので、合併症が絶対起きないということは言えませんが、当院では現在、院長自ら手術を施行していることと、100%エコーを併用して手術をおこなっているため子宮穿孔、大出血はおきていません。すべての合併症を回避できるわけではありませんが、数多くの症例数を経験しているからこそ万が一、合併症が起きた時も適切な対応を行うことができると考えています。

患者様の立場からすると、どのような医師が手術をするのかが一番ご不安だと思います。当院ではすべての手術は院長が行っています。ホームページに記載してあることに関しては偽りなくエビデンスに基づいて記載しています。少しでもご参考になればありがたいです。

自らの経験も踏まえ、妊娠されてご不安な患者様に寄り添いたいという気持ちで診療を行っておりますので、当院で診療を受けるかどうかは別としてもご妊娠して悩まれていたら遠慮なくご相談して頂けたらと思います。

すべての中絶方法に対応

吸引法

世界で推奨されている方法(厚労省も推奨)

A) MVA法

B) 電動吸引法(EVA)

掻爬法(ソウハ法)

日本で古くからおこなわれている方法

手術方法について詳しく

MVA法、電動吸引法、掻爬法の比較表

治療法 メリット デメリット 一般的なリスク 当院の強み
MVA
厚生労働省・WHO(世界保健機関)
・FIGO(国際産科婦人科連合)推奨※1,2.3
  • 子宮内膜損傷のリスクが少ない(合併症が少ない)
  • 器具は使い捨てのため、感染リスクがない
  • 手術時間が短い
  • 出血量が少ない
  • 痛みが少ない
  • コストがかかる(器具が使い捨てのため)
  • MVA法を熟知している医師が少ない
  • 大出血
  • 子宮穿孔
  • 遺残
  • 局所麻酔でも対応可能
  • 術後最短30分で帰宅可
  • 当日・即日手術でも対応可能
EVA
厚生労働省・WHO(世界保健機関)
・FIGO(国際産科婦人科連合)推奨※1,2.3
  • 掻爬法より子宮内膜損傷のリスクが少ない
  • 低コスト(器具は洗浄・滅菌して再利用)
  • 手術時間が短い
  • 出血量が少ない
  • 洗浄・滅菌の手間がかかる
  • 大出血
  • 子宮穿孔
  • 遺残
  • 術後最短30分で帰宅可
  • 当日・即日手術でも対応可能
D&C法
掻爬(そうは)法
推奨されていない※4
  • 低コスト(器具は洗浄・滅菌して再利用)
  • 合併症は吸引法の2~3倍
    (遺残による再手術、子宮穿孔、アッシャーマン症候群による不妊)
  • 子宮を広げる処置が必要(前処置)
  • 術中・術後の痛みが強い
  • 手術時間が吸引法より長くなる
  • 洗浄・滅菌の手間がかかる
  • 大出血
  • 子宮穿孔
  • 遺残

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安全安心な手術へのこだわり

当院では安全に手術を受けていただけるように以下の取り組みをしています。

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今すぐ手術を受けたい方はこちら

10:00~11:00までの中絶手術のWEB予約をお取りください。
朝7時から絶飲食の状態でご来院ください。
同意書はクリニックでご用意しています。
ご来院された日に検査・手術を全て行い、3~4時間ほどでご帰宅となります。

※結婚している方・婚約している方・内縁の夫がいる方は必ずパートナーの署名が必要なためお近くで待機していただくようお願い致します
※同意書をあらかじめ用意しておきたい場合はLINEでお問い合わせください

当日のスケジュール

10:00~11:00 来院
問診票記入・採血
診察
クリニックで同意書にサイン
手術
帰宅

適している方

  • すぐに手術を受けたい
  • 1日で全てを完結したい

注意事項

  • 当日は保険証または身分証明書、印鑑(シャチハタ不可)をお持ちください。
  • 婚姻関係(事実婚を含む)にある場合は、必ず配偶者の署名・捺印が必要となります。
  • 即手術の場合、手術時間はクリニックが指定した時間になります。
  • 帰宅の際にお迎えの方に来ていただくことをお勧めしています。
  • 自分で運転するような乗り物(車・バイク・自転車など)で来院しないでください。またバイクの後ろに乗って帰宅することも避けてください。
  • 未成年の方の即日手術は対応できかねます。(LINEでの当日手術のご予約は可能です)
  • 当院が指定する時間までに書類がそろわない、絶飲食ができていない場合は後日の手術となります。
  • 検査結果や手術の状況によっては翌日または翌々日に診察に来院していただく場合があります

LINE予約で当日手術

LINEにて手術予約を承っております。
注意事項や同意書をあらかじめLINEでお送りします。
ご来院された日に検査・手術を全て行い、3時間ほどでご帰宅となります。

当日のスケジュール

10:00前後 来院
問診票記入
11:00 診察
採血
手術
13:30 帰宅

適している方

  • あらかじめ書類にパートナーの署名をしておきたい
  • 1日で全てを完結したい
  • 遠方から来る

手術予約

ご予約の方は当院のアカウントをお友達登録し、LINEでご連絡ください
受付時間10:00〜18:00(日曜/祝日の受付は14:30まで)

送り頂く内容

希望日時、名前、電話番号、生年月日、メールアドレス

注意事項

  • 未成年(17歳以下)の方の当日手術は保護者の方の同伴が必要です。
  • 検査結果や手術の状況によっては翌日または翌々日に診察に来院していただく場合があります

予定手術

検査と手術、2回に分けてご来院頂きます。検査で来院していただいた日に手術日を決め、同意書をお渡しします。手術日は、書類を確認後にすぐ手術となり、歩行可能と判断したら帰宅できます。

※検査で来院された日は、経腟超音波検査で妊娠の確認と術前採血を行います。
※翌日以降での手術が可能です。

当日のスケジュール(一例)

10:30 来院
書類確認、会計
11:00 手術
12:00 帰宅

適している方

  • 手術後なるべく早く帰られたい方

注意事項

  • 婚姻関係(事実婚を含む)にある場合は、必ず配偶者の署名・捺印が必要となります。
  • 未成年の方は保護者の同意が必要になります。

手術費用

厚労省推奨の吸引法

週数・曜日にかかわらず一律99,000円(税込)
※電動吸引法

検査代

予定手術:11,000円(税込)
当日手術:22,000円(税込)
即日手術:22,000円(税込)

詳しく

当院の費用設定

妊娠週数や曜日に関係なくリスクのない方の電動吸引法の手術費用は一律となっています。お支払いはクレジットカードによる分割も可能です。

※手術後の検診は無料です。
※極めて少数の方ですが血液型がRhマイナスの方で、グロブリン注射が必要となる際は、別途注射費用25,000円がかかります。
※リスクがある患者様に関しましては、他の医療機関にご紹介になる場合や追加費用が発生する場合があります。

※手動真空吸引法をご希望される方は追加費用が発生します

妊娠週数と費用の関係

一般的に中絶手術は、手術を行う際の妊娠週数に応じて難易度と母体の負担が高くなる為、妊娠週数が増えるにつれて、手術費用を高く設定されている医療機関が多いのが現状です。ホームページに掲載されている手術価格より、実際にクリニックを受診して、想定を超える手術費用を請求されるケースも少なくありません。

FIDESでは

【妊娠週数に関係なく手術費用99,000円(税込)】

土曜、日曜、祝日の手術加算

手術の希望が多い曜日は土曜、日曜、祝日となります。その為、医療機関によっては、手術の希望曜日によって、手術費用が高額な設定であったり、費用を加算して請求する場合があります。

FIDESでは

【土日祝日手術の追加費用はありません】

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状況によっては男性のサイン不要

事実婚を含む婚姻関係にある場合は必ずそのお相手の署名が必要になりますが、
それ以外では、同意書に女性の署名を記載していただくだけで手術を受けられます。

最短1時間半で帰宅可能

クリニックの滞在時間の目安

予定手術
眠る麻酔    1時間半~2時間
眠らない麻酔  1時間~1時間半
当日手術
3時間程度

眠らない麻酔での手術も可能

通常は静脈麻酔で眠って手術を行いますが、局所麻酔の場合は、子宮に局所麻酔の注射をして手術を行います。鎮静剤・鎮痛薬を使用しているため痛みは感じません。

麻酔からの覚醒が早いため、手術後30分程度で帰宅することが可能です。

適している方

  • 術後予定があるので早く覚醒したい
  • 完全に眠ってしまうのが怖い
  • 呼吸器疾患などで呼吸停止のリスクが高い方

など

ご希望の方は、週数に制限があるので診察時にご相談ください。麻酔によるリスクや手術料金にご納得いただいた上での手術予約となります。

授乳を中止しなくても手術可能

通常使用される静脈麻酔は、薬の母乳への移行があるため術後に一定期間授乳の中止が必要になります。

しかし局所麻酔の場合は、授乳中でも使用できる必要最低限の薬しか使用しないため、帰宅後から普通に授乳が可能です。安全な鎮静剤も併用しているため痛みは感じません。

また麻酔からの覚醒が早いため、手術後30分程度で帰宅することが可能です。

ご希望の方は、週数に制限があるので診察時にご相談ください。麻酔によるリスクや手術料金にご納得いただいた上での手術予約となります。

術前の痛い処置(頚管拡張)はありません

手術を行う前に、子宮の入口を広げて柔らかくする処置(前処置/術前処置)が一般的に行われていますが、覚醒した状態で子宮に異物(ラミセル、ダイラパン、ラミナリアなど)を入れるため、痛みを伴います。痛みの程度には個人差がありますが、失神を起こしてしまう方もまれにいらっしゃいます。

当院では痛みのあるこのような処置は一切行っていません。

前処置をしないことにより手術が難しくなると言われていますが、当院では年間数千件の手術を行っており、手術ができなかったことは一切なく、なるべく患者様の苦痛のない手術を心がけています。

帝王切開をされた方の手術も行っています

過去に帝王切開をされているとすでに子宮に傷ができていて、そこが物理的な刺激に対して少し弱くなっていたり、子宮の内腔の形が変形している可能性があります。

中絶手術では子宮の内腔に手術器具を入れるため、もともとの傷のところが損傷を受けやすかったり、手術器具がスムーズに入っていかなかったりするリスクがあるため技術を要するのですが、当院ではほぼ全例手術できており、帝王切開をされた方の子宮に穴をあけてしまう合併症は今まで発生していません。

MVA(手動真空吸引法)

世界的に中絶手術の方法として推奨されているのは吸引法ですが、吸引法にも電動吸引法とMVA法(手動真空吸引法)の2種類があります。 日本で吸引法を採用している医療機関は全体の約半数となりますが、その多くは電動吸引法で、より合併症の少ない安全な手術方法“MVA法”を採用している医療機関は非常に少ないのが現状です。

世界の論文では、2009年Cochrane Reviewが合併症について子宮穿孔(子宮に穴が開くこと)は電動吸引法よりMVA法の方が少なかったと報告しています。 また、2018年Padronらは、晩期の合併症である子宮内腔の癒着(不妊症の原因)の発生頻度も電動吸引法よりMVA法の方が少なかったと報告しています。※1

※1
[Padrón, Lilian, et al. “Manual compared with electric vacuum aspiration for treatment of molar pregnancy.” Obstetrics & Gynecology 131.4 (2018): 652-659.]
Manual compared with electric vacuum aspiration for treatment of molar pregnancy
Manual vacuum aspiration appears to be similar to electric vacuum aspiration for treatment of molar pregnancy and may be associated with less development of uterine synechia.
Although the pressure exerted by the manual vacuum aspiration is advertised as similar to an electric device,28 in fact, the vacuum pressure of the electric vacuum aspiration is approximately 100 mm Hg higher than manual.29,30 Perhaps, the increased suction pressure is responsible not only for faster uterine evacuation with the electric device, but also for more intense decidual detachment, trauma, and greater risk of synechia.

MVAの方がEVAより晩期合併症である子宮腔内癒着(≒アッシャーマン症候群)が少なかった。MVAによって加えられる圧力はEVAと同様であると言われているが、実際、EVAの陰圧は手動よりも約100mmHg高い.おそらく、このような吸引圧の上昇は、EVAが子宮内容物の排出を早めるだけでなく、より激しい脱落膜剥離、外傷、および癒着のリスク増大にもつながっている.

MVA法でこれらの合併症が全く起きないわけではありませんが、世界で行われている中絶手術の中では最も安全な方法であると考えられます。

では、なぜ安全なMVA法を導入している施設が少ないのでしょうか?

MVA法は40年以上にわたって世界100か国以上に導入されていますが、日本に導入されたのは2015年と比較的最近のため、日本のすべての産婦人科医がMVA法に慣れているというわけではありませんし、MVA法を導入していたとしても経験した症例数が多くないためメリットについて十分に評価できていないということがあるかと考えられます。また、MVAキットは使い捨てであるため非常に清潔ではありますがコストがかかるという点も挙げられます。WHOは、外科的中絶の場合に推奨される方法としてMVA法が妊娠 12 週〜 14 週までの外科的人工妊娠中絶において推奨される技術であると言及しており、世界各国で推奨・導入され、論文でも報告されているようにより安全な手術方法です。

当院の統計では、MVA法だけでも院長は約3000件の症例実績があり、これは日本でトップの症例数になります。これまでにMVA法で子宮穿孔や大出血など緊急搬送を要するような合併症は一例もありませんでした。 また日本でのMVA法は通常、妊娠10週までですが、当院では週数に関係なくMVA法での手術が可能となっています。多くの症例経験があるからこそ週数の制限なくMVA法による手術を受けていただけます。 より詳しくお知りになりたい方は診察時に医師にお尋ねください。

人工妊娠中絶の方法はどのようなものがあるでしょうか

MVA法

手術方法の中では最も安全で負担が少ないと考えられる方法です。WHOの安全な中絶ガイドラインで推奨されている方法の一つです。 子宮の中での操作に使用する管は細くてやわらかいものです。

手動の吸引器を操作すると陰圧がかかり子宮内の組織が吸引されます。

電動吸引法

子宮に金属製の吸引管を入れて電動で妊娠の組織を吸引します。

掻爬法

まず手術の前に子宮の入口を開く処置をすることが多いです(痛みがあります)。次に鉗子(はさみの先が輪になったような金属製の器具)で組織を排出します。

その後、キュレットという金属製の器具を使って組織を掻き出します。WHOの安全な中絶ガイドラインでは、『いまだにこの方法が行われているなら吸引法や薬剤に変更するべき』と記載されています。

子宮内膜へのダメージやガイドラインを考慮し、当院では行っておりませんが強いご希望があれば対応可能です。吸引法、掻爬法どちらも何千もの手術経験がありますので対応可能ですが、あえて危険な掻爬法を選ばれる方はいらっしゃいません。

初期中絶の方法:3種類(MVA法、電動吸引法、掻爬法)

それぞれの違いはこちらの比較表をご覧ください

詳しくはこちら

掻爬法によるリスクについて

手術の前に子宮の入口を開く痛みのある処置をすることが多いです。次に鉗子(はさみの先が輪になったような金属製の器具)で組織を排出します。その後、キュレットという金属製の器具を使って組織を掻き出します。WHOの安全な中絶ガイドラインでは、『いまだにこの方法が行われているなら吸引法や薬剤に変更するべき』と記載されています。

また、厚労省も吸引法を推奨しています。
子宮内膜へのダメージやガイドラインを考慮し、当院では行っておりませんが強いご希望があれば対応可能です。吸引法、掻爬法どちらも何千もの手術経験がありますので対応可能ですが、当院では掻爬法も吸引法も料金が同じであるためあえて掻爬法を選ばれる方はいらっしゃいません。

掻爬法についてさらに詳しく知りたい方はこちらから

中期中絶の方法

中期中絶の方法 子宮頸管を広げ、膣に薬を入れて陣痛を生じさせる、分娩と同様の方法です。妊娠12週~21週6日までの場合に行われます。当院では行っておりません。

MVA法での中絶の詳しい方法は?

まず、点滴の麻酔で眠っていただきます

※リスクのある方は局所麻酔になります。
MVA法は痛みが少なく、また、短時間で終了するというデータがあります。つまり、痛みは取りながらも麻酔のお薬の量を抑えられるケースが多いです。

麻酔が効いていることを確認して、手術を開始します

子宮の向きや長さ、合併症(例:筋腫)などリスクを把握しながら進めていきます。

ダイレーターを頸管に通して子宮頚管を拡張し、適切な広さがあることを確認します

ダイレーターは細長いペンの様な器具で、先がなだらかなカーブになっています。これが子宮の入り口の一番細い部分に通ることを確認し、やさしく拡張します。

プラスチック製の本体を操作して真空部分の吸引力を使って組織を吸引します

組織を吸引するカニューレ(ストローのような器具)を適切な位置に持ちます。カニューレと本体をつなぎ、真空の圧を使用し組織を吸引します。

本体は針のない注射器のような形をしており、この中に組織が吸引されます。一回一回使い捨ての製品ですのでとても清潔で安全です。

子宮内の状態を確認する

吸引が終了したら止血の確認をし、エコーで子宮内の確認を行います。組織が取れて子宮内に血液がほぼたまっていない状態を確認し、手術は終了です。麻酔の影響がとれてくるまで院内でゆっくりお過ごしいただきます。

MVA法の安全性についてもっと知りたい

WHO は2012 年に「安全な中絶に関するガイドライン」を発表しました。これは、人工妊娠中絶手術の掻爬法が安全性に問題があることを指摘するものでした。

その後、日本産婦人科医会が人工妊娠中絶手術の合併症に関する全国調査を行いました。結果は以下のようになります。人工妊娠中絶手術の術式は、吸引+掻爬法が5 割、掻爬法が3 割、吸引法が2 割でした。子宮内遺残、子宮穿孔、輸血を要する大量出血、これらの合併症全てで掻爬法の発生率が吸引法を上回っていました。

子宮内遺残、子宮穿孔の発生率は吸引法より掻爬法で統計上明らかに多く認められました輸血を要する大量出血の頻度は統計的な頻度の差はありませんでした。より安全に人工妊娠中絶を実施するには、吸引法の広まりが必要という結論でした。

表:妊娠12週未満の人工妊娠中絶時の合併症の頻度(総数10万件比)抜粋

子宮内遺残 子宮穿孔 大量出血(要輸血)
吸引法 97.8 4.9 9.8
掻爬法 503.7 36.4 18.2

MVA法のデメリットは?

  1. 血液の貯留や組織の遺残を認めるケースがあるという報告があります。
    技術や症例数によるものと考えられます。
  2. 使い捨ての器具で清潔・安全なのですが、器具の料金が高価なので手術料金は上がります

感染リスクはありますか?

MVA法では一回一回使い捨ての器具を使用しますので、とても清潔ですべての手技のなかでいちばん感染のリスクが低くなります。一般的に、子宮内の操作時間と回数が増えると感染のリスクは増えますが、MVA法は、妊娠6-7週では子宮内の吸引回数は1-2回で十分可能という報告があります。時間にして数分で終了します。

掻爬法では、同じ週数でも子宮内に手術器具を挿入する回数は確実に数倍になります。これに伴い手術時間も差が出ますので、MVA法は短時間で済みリスクが低いと言えます。こういったメリットから、発展途上国など十分に電気が使用できなかったり、滅菌できないような場所でも使用されています。

痛みなどは強いですか?

WHOの報告でも、最も負担が少ない中絶手術は局所麻酔下でのMVA法と記載されています。子宮の下の部分に数か所局所麻酔の注射をし、意識のあるままMVA法を行います。つまり、起きたまま手術を行うことができるくらい痛みが少ないのです。

当院では、リスクが高く静脈麻酔の使用ができない方はこの方法を用いることもあります。眠っている間に手術が終わっている方が心理的な負担が少ないのではという配慮のため、当院では通常は静脈麻酔によるMVA法を採用しております。

手術の時に気を付けることはありますか

基本的に、通常の吸引法(EVA:電動式の吸引法)、MVA法、掻爬法で術前術後の対応は大きく変わりません。麻酔のさめやすさ、出血、痛みの程度は個人差があるので無理をせず過ごしましょう。

一日にMVA法を受けられる人数制限はありますか

一日当たりの手術件数は決まっていますが、MVA法の人数制限はなく、十分な数の手術器具を備えています。

MVA法と通常の吸引法(EVA:電動式の吸引法)、どちらにしようか迷いますがいつまでに決めれば良いですか

直前まで迷いのある方もいらっしゃると思います。リスクなどで制限がない場合、手術当日お支払いまでにお伝えいただければ対応可能です。

MVA法と通常の吸引法(EVA:電動式の吸引法)、どちらを受ける人が多いですか

当院ではMVA法の経験実績が多いため、全国からMVA法を目的に多くの方が来院されています。したがって電動吸引法よりMVA法を選択される方が多い状況ですが、電動吸引法が非常に劣るというわけではありません。
またMVA法は吸引圧が電動吸引法より若干弱いのと、柔らかい器具を使用するため知識や経験が少ない術者が行うと遺残が生じやすくなるというデメリットもあります。

術後検診無料

手術後1~2週後に来院していただき、エコーで術後の経過を見ます。この時のエコー代は無料です。遠方から来院された方の場合、ご自宅近くの医療機関で術後検診を受けていただくことは可能ですが、自費での検査費用が発生するのと、医療機関によっては紹介状が必要となる場合がありますのでご確認ください。

当院で手術対応が難しい方

以下の項目に該当する方は、追加費用で手術をお受けできるケースもありますが、高次医療機関へご紹介になるケースもあります。

  • 肥満
  • 呼吸器疾患、精神疾患、てんかん、心疾患、不整脈、高血圧、糖尿病、肝疾患などご病気をお持ちの方
  • 子宮の変形

※肥満の方は、麻酔による呼吸停止の可能性が高くなります 

術後の避妊について

現在、当院で取り扱っている低用量ピルとミレーナを含めた以下の避妊具について説明いたします。

①コンドーム
②低用量ピル
③IUS(ミレーナ)

まず上記避妊具を使用したときの妊娠率(失敗率)についてです。
理想的な使用をした場合、①2%、②0.3%、③0.2%と言われていますが、ピルに関していうと飲み忘れなどがあった場合は9%と言われています。

それぞれのメリットとデメリットについてです。

① コンドーム

メリット:
手軽に入手できる
デメリット:
失敗率が高い

男性主体の避妊法で、実際に患者様で「ちゃんと付けていたはずなのに妊娠してしまった」という方がたまにいらっしゃいます。

② 低用量ピル

メリット:
比較的容易に入手できる、海外では薬局でも入手できる
デメリット:
飲み忘れがあると避妊効果が下がる
血栓症のリスクが高くなる(喫煙、年齢などでリスクがさらに上昇)
子宮頚がん、乳がんのリスクが少し高くなる

③ IUS(ミレーナ)

メリット:
毎回避妊をする必要がない
血栓症やがんのリスクがない
授乳中でも使用できる
デメリット:
医療機関での処置が必要となる。
不正出血の持続や自然脱落の可能性が少しある。
ミレーナについて詳しく見る

料金について

① コンドーム: 1枚100円~

② 低用量ピル: (1年間)約30000円~

③ IUS(ミレーナ): (5年間)約50000円~

以上、3種類の避妊具について比較をしてみました。
どの避妊法も100%の避妊効果ではありませんが、女性が辛い思いをしないためにも女性主導の避妊法もお考えいただけたらと思います。 ご希望の方には手術時(麻酔がかかっている状態)でミレーナを挿入することも可能です。

ピルについて詳しくみる

よくある質問

手術を受ける施設について

どの医療機関で手術をしたらいいか悩んでいます。

各医療機関で価格の違いはあるものの、ホームページに記載されている内容は似たり寄ったりで、医師の技術の程度を知ることは不可能で、何を判断材料にしたらいいかわからないのが現状です。 手術を受ける施設のサービスやホスピタリティが一番大切なのではなく、安全に手術を終える、または何か合併症があったときに責任もって対応してくれる施設が一番安全なのではないでしょうか?
当院が考える安全な施設を以下にまとめました

・手術をする医師の手術の経験数(施設全体での手術件数ではなく、一医師の手術経験数が大切)
・ホームページの内容がエビデンスに基づいている(一医師の主観的な内容ではなく何を根拠に記事を書いているかが大切)

手続きについての質問

胎児の父親が夫以外の場合でも、手術を受けて頂けますでしょうか。

手術には戸籍上配偶者の方の同意(サイン・捺印)が必要になります。

相手の同意書なしでも手術は受けられますか?

戸籍上の夫がいる、内縁の夫がいる(長期にわたり同居している)、婚約している、長期にわたり同居している

これらの場合はお相手のサインが必要になりますが、これ以外の場合はご本人だけのサインで手術を受けることが可能です。

未成年の場合、親の同意は必要ですか??

必ず保護者の方の同意が必要になります。

手術の可否についての質問

喘息がありますが手術可能ですか?

リスクのある手術となりますが、喘息の頻度や程度によっては当院での手術が可能なこともありますので、ご来院の上、詳細をお聞かせください。非常にリスクが高いと判断した場合には局所麻酔によるMVA手術となる場合があります。
中絶の手術で命を落とすようなことがないように当院も患者様のお体の状態を配慮しておりますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

帝王切開をした経験がありますが手術可能ですか?

リスクのある手術となります。エコーで帝王切開の傷の状態を確認してからの判断になりますが、ほとんどの場合は手術可能です。

手術内容についての質問

ソウハ法と吸引法はどちらのほうが安全ですか?

世界保健機関(WHO)、厚労省ともに吸引法による手術を推奨しており、世界の主流となっています。ソウハ法と比べ、吸引法は手術中におこる事故の可能性を低く抑える事ができ、日本を含め世界の多くの文献で吸引法の安全性について述べられています。吸引法では、細い吸引管を使用する為、手術時間を短縮でき、出血量も少なく子宮への負担を最小限に抑えられます。

感染の危険性を心配される方がいらっしゃいますが、掻爬(ソウハ)法も、電動吸引法も同じ方法で洗浄・滅菌をしているので感染のリスクに差はありません。

さらに感染症が心配な方にはMVA(使い捨ての吸引器)による手術も選択頂けますのでご安心ください。
※世界保健機関(WHO)のガイドライン(英文)

吸引法とソウハ法の合併症のリスクを教えてください。

2012年日本産婦人科医会は中絶手術の術式と合併症に関する全国調査を行いました。 術式は、吸引法のみが2割、吸引法とソウハ法の併用が5割、ソウハ法のみが3割でした。 結果は以下の表のとおりになります。

妊娠12週未満の人工妊娠中絶時の合併症の頻度(対総中絶10万件比)

合併症の発生頻度
遺残 子宮穿孔 大量出血
術式
吸引法 97.8 4.9 9.8
吸引法・ソウハ法併用 226.9 12.7 19.1
ソウハ法 503.7 36.4 18.2
術前・頚管拡張(子宮を広げる痛みのある処置)
なし 249.2 9.4 9.4
あり 324.1 25.7 22.3
超音波ガイド
あり 326.1 16.3 18.6
なし 309.0 20.7 15.5

当院では、安全に手術を行うため、吸引法のみの術式で、術前の処置は一切行っておりません。また手術中は超音波ガイド下に手術を施行しています。

MVAとはどういったものですか?

40年以上にわたって世界100か国以上に導入されている手動式の吸引法になります。
プラスチック製であるため、術後の痛みや子宮へのダメージが少なく、アッシャーマン症候群のリスクも少ないと言われています。

MVA法・電動吸引法・掻爬(ソウハ)法どれがおすすめですか?

合併症の頻度から考えると世界では吸引法(MVAまたは電動吸引法)が推奨されています。2種類の吸引法の有効性と安全性に大きな差はありません。感染症のリスクはどの方法も一緒ですが、MVAは1回だけの使い捨てで、一切電気を使用しないためどんな状況下でも使用できます。

日本においてMVAでの手術は、まだまだ使用頻度が少なく、遺残が生じることがあるため手術経験が多く、熟知した医師を選ばれることをおすすめします。

前処置はありますか?

2016年からラミセルなどを使用した術前処置を行わず、年間数千件の手術を行ってきましたが、特に問題なく手術が行えているため、当院では痛みのある前処置は一切行っていません。

手術にはどれくらいの時間がかかりますか?(当日手術を除く)

手術自体は個々の子宮の状態などによって、難易度がかわるので一概には言えませんが、早ければ1〜2分で終了します。手術後に麻酔から覚めるまでに10分ほどで、お迎えの方がいらっしゃれば早くて来院から1時間半程でご帰宅頂けます。

痛みについての質問

手術中の痛みはありますか?

麻酔で完全に眠ってしまっているので痛みはありません。また、当院で手術中に「痛い!」と言って目が覚めてしまった方は一人もおりませんのでご安心ください。

術後の痛みはどうですか?

生理痛のような痛みは出る可能性がありますが、許容範囲内の方がほとんどです。術後の痛みを極力減らしたい方はMVAをおすすめします。

痛い処置はありますか?

当院では手術前の前処置をおこなっておりませんので、ご安心ください。あえて痛い処置というと、採血・点滴になります。針が怖い方は事前にペンレステープを貼ってきていただいても構いません。

麻酔についての質問

どのような麻酔をしますか?全身麻酔ですか?

基本的には静脈麻酔になります。静脈麻酔と全身麻酔の違いは簡単に言うと、呼吸を止めずに眠るのが静脈麻酔、呼吸を止めて眠っている間に人工呼吸器につなぐのが全身麻酔になります。

自分は麻酔が効きずらいようで、以前他の医療機関で中絶手術を受けた際に、途中で目が覚めて痛い思いをしたことがあり、そこが心配です。

当院の静脈麻酔は完全に眠った状態で行っております。毎年数千件の手術していますが、途中で覚醒した方はいらっしゃいませんのでご安心ください。

一時間半で帰宅できると聞きましたが、本当ですか?

個人差はありますが、通常の静脈麻酔で行った場合、麻酔が覚めて帰宅できる状態になるまでの時間は、来院されてから1時間半~2時間くらいになります。より早くご帰宅されたい方のために局所麻酔で行う方法もあります。

麻酔はどれくらいで覚めますか?

手術が終了したらすぐに目が覚める方がほとんど(10分くらい)です。

当日手術について

当日手術と予定手術と何が違いますか?

当日手術は1日で検査・手術をすることができますが、院内にいていただく時間は3時間程度と若干長くなります。
予定手術は一度検査に来ていただき、手術予約を取り、その日は帰宅。別日に手術となります。手術当日は覚醒がよければ1時間~1時間半程度でお帰り頂けます

どのような方が当日手術を受けていますか?

忙しい方や遠方(北海道〜沖縄などの全国)から来られる方が当日手術を選択されることが多いです。
但し、せっかく1日予定を空けて来院されてもエコーで正常妊娠が確認されなかった場合は、再度来院していただく必要がありますのでご了承ください。

手術日程について

翌日の手術予約はとれますか?

ほとんどの場合、翌日手術することが可能です。患者様の「なるべく早く手術を受けたい」というお気持ちに応えられるよう当院では手術件数の制限は基本的に行っておりませんが、まれですがお受けできない状況のこともありますのでご理解のほどお願い致します。
※当日手術につきましては、制限がありますので早めのご予約をお勧めいたします。

術後について

術後はいつから仕事ができますか?

手術当日は麻酔の影響により、ふらついたり、具合悪くなる可能性があるためご自宅でお休みください。腹痛は個人差がありますが、ほとんどの方は手術翌日から仕事ができる程度です。

その他の質問

どれくらいの手術経験がありますか?

年間に数千件の手術を院長自ら行っており、医師として約20年間のキャリアがある中で中絶手術に関しては10,000件以上の実績があります。特にMVA法については、日本でトップの経験数になります。

手術費用がクリニックによって違うのはなぜですか?

中絶手術は自費になるため、価格は自由に設定できます。高額の中絶費用を払ったからと言って特別な器具や薬剤を使用するわけではありません。 また、極端に安価なところに関しては、掻爬法であったり、追加の費用が発生する場合もあります。

当院で使用しているものはどこの医療機関でも使用されているもので、最新の滅菌機を使用して衛生面も徹底しています。 また、手術自体は日本有数の手術実績を誇る院長自ら行っています。

手術にはわずかではありますが合併症のリスクがあります。将来の妊娠の為にも価格だけでなく総合的に判断してください。合併症が起きないことがいちばんですが、万が一、合併症が発生したときに対応できるかどうかも医師の技量となってきます。医師としての経験値があり、高次医療機関との連携がある施設での手術をお勧めします。

2回目(複数回)の中絶手術です。今後の妊娠への影響はありますか?

2回目だからと言って、より不妊症になりやすくなるというデータはありません。 たった1回であっても子宮内の処置により子宮内に癒着をおこし、不妊の原因となることがあります(アッシャーマン症候群)。アッシャーマン症候群を強くご心配される方にはMVAをおすすめしておりますので、まずは診察時に医師にご相談ください。

男性と一緒に話を聞きたいです。

申し訳ございませんが、男性の方の入室はお断りしております。
患者様の中には、いろいろな事情をお持ちの方がいらっしゃいますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

カップルでのご相談をご希望の方には、オンライン診療のご予約をお取りください。

中絶手術を受けることになった経緯を聞かれることはありますか?

プライベートな内容は当院からお聞きすることはありませんのでご安心ください。

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