中絶手術前の検査とは?手術できないケースと検査内容・流れを医師が解説
検査によって手術できないケースってあるの?
結論として、ほとんどの方は問題なく手術を受けることが可能です。
中絶手術の前には、安全に手術を行うために超音波検査や血液検査などを行いますが、これらの検査で「手術ができない」と判断されるケースは多くありません。多くの場合、検査の目的は手術が可能かどうかを確認するというよりも、より安全な方法やタイミングを決めるためのものです。
ただし、いくつかの状態では、手術方法の変更や一時的な延期、あるいは総合病院への紹介が必要になることがあります。例えば、子宮の外に妊娠している異所性妊娠、重度の貧血、重い感染症、麻酔に影響する重い持病などがある場合です。これらは頻度としては多くありませんが、安全を最優先に判断されます。
ほとんどのケースでは、治療を併用したり、手術方法を調整したり、一時的な延期をすることで対応が可能です。そのため、検査で何か見つかったとしても、必ずしも手術が受けられなくなるわけではありません。まずは現在の体の状態を確認し、安全に手術を行うための準備を整えることが大切です。
中絶の術前検査では何をチェックする?
超音波検査(週数・胎嚢の位置確認)
超音波検査では、妊娠週数と胎嚢(赤ちゃんの袋)の位置を確認します。妊娠週数は中絶方法や麻酔方法に直接関係するため、とても重要な検査です。
また、子宮内に妊娠が成立しているかを確認し、異所性妊娠(子宮外妊娠)ではないかを調べます。異所性妊娠の場合は中絶手術ではなく、別の治療が必要になるためです。
血液検査(貧血・血液型・感染症など)
血液検査では、主に以下の項目を確認します。
- 貧血の有無
- 血液型
- 必要に応じて性感染症検査
特に貧血の有無は重要で、出血時の安全性や麻酔管理に関係します。
軽度の貧血であれば通常は手術可能ですが、重度の場合は点滴や治療を行って改善してから手術を行うことがあります。
性感染症検査
クラミジアなどの性感染症の有無も必要に応じて確認します。もし検査で陽性だった場合でも、手術ができなくなるわけではありません。抗生物質による治療を手術と同時に行ったり、治癒してから手術する場合もあります。
正確な週数の確認
検査で妊娠週数が予想より進んでいた場合、初期中絶から中期中絶へ手術方法が変わることがあります。
中期中絶は入院が必要になる場合もあり、対応可能な医療機関へ紹介することがあります。
また妊娠週数が進むと中絶による合併症のリスクが高くなるため、なるべく早い段階での処置をお勧めします。
全体の流れ(検査はどこで行われる?)
初診
妊娠の確認、超音波検査、血液検査、術前説明などを行います。
手術当日
体調確認や絶食などの最終案内を行います。
麻酔管理のもとで手術を行います。処置時間は比較的短時間で終了することが多いです。
術後フォロー
出血や体調の確認と超音波検査を行います。必要に応じて再診します。
再検査や延期を防ぐための事前準備
食事・薬
麻酔を安全に行うため、指定された時間から絶食・絶飲が必要です。
服用中の薬がある場合は、事前に医師へ相談してください。
持ち物
- ナプキン
- 保険証・マイナンバーカード・パスポート・免許証のいずれか
- 同意書
- 印鑑
- 検査代金、手術代金
- (コンタクトレンズの方)コンタクトケース、眼鏡
- 必要な内服薬
など、医療機関から案内されたものを持参してください。
検査を早く受けるべき理由
妊娠が分かったとき、多くの方が驚きや不安、迷いなど、さまざまな気持ちを抱えると思います。すぐに結論を出すことが難しいのは、とても自然なことです。
ただ、医学的には妊娠週数が浅いほど身体への負担が少なく、手術も比較的安全に行いやすいとされています。手術時間が短くなることが多く、身体への影響も比較的少ないためです。また、週数が進むと中絶方法が変わったり、入院が必要になったりする場合もあり、費用や身体的負担が大きくなることがあります。
そのため、もし中絶を考える可能性が少しでもある場合は、まずは検査や相談だけでも早めに受診することをおすすめしています。受診したからといって、その場で必ず手術を決めなければならないわけではありません。現在の妊娠週数や体の状態を知ることで、今後の選択肢を落ち着いて考えることができます。
大切なのは、無理に急いで決断することではなく、ご自身の体の状態を知ったうえで安心して判断できる環境を整えることです。私たちは、患者様が納得して決断できるよう、医学的な情報をお伝えしながらサポートしていきます。どんな小さなことでも構いませんので、不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。