卵巣嚢腫
卵巣嚢腫
卵巣に腫瘍が発生する確率は全生涯で5~7%と言われています。卵巣嚢腫は、卵巣に分泌物などが溜まってできる袋状の柔らかい良性腫瘍のことで、以下のものに分類できます。
- 漿液性腺腫
- さらさらの液体がたまった腫瘍です。
- 粘液性腺腫
- どろどろの粘液状の液体がたまった腫瘍です。
- 成熟嚢胞性奇形腫
- 腫瘍の内部に脂肪や髪の毛などが含まれ、茎捻転を起こしやすい腫瘍です。
- チョコレート嚢胞
- 卵巣に月経血成分が貯留することで卵巣が腫大した状態を指します。
- 機能性嚢胞
- 本当の卵巣腫瘍ではなく、排卵ができなくて卵胞が存続したものなどのことを言います。
症状
無症状のことが多く、検診で偶然に発見されます。腫瘍が大きくなると下腹痛や圧迫感、腹部膨満感などがあらわれます。
検査
エコー検査やMRIで確認し、悪性かどうかの判断のために腫瘍マーカー(CA125,LDH、AFP、hCGなど)を検査します。
治療
般的に6㎝くらいになると茎捻転(ねじれる)を起こすため、手術をすすめます。
通常は腹腔鏡で病巣部分だけを摘出しますが、サイズが大きいものや、悪性が疑われる場合は、開腹手術による卵巣切除が必要になります。6㎝未満の場合は、1~3か月おきに診察して経過をみていきます。